第二章 意識のテクノロジー 15
クレアアリエンス【超臭覚】
Clairalience
これは周辺にない何かの臭いを嗅ぎ取ることのできる能力です。
その他の能力と同じように、この臭覚も匂いが鼻腔を通じて脳へと伝えられます。
サイキック的に匂いを転送できるという話しを読んだのは1990年頃で、 シャーリー・マクレーンの著作の中でした。
彼女が自宅にいると、どこからか薔薇の香りが自分の周囲を取り巻き始め、しばらくするとサイキック・チャネルであるケビンライアーソンから電話が入り、彼はシャーリーに遠隔で薔薇の香りを送ったことを伝えるという場面です。
チャネラーになり、サイキックな能力が色んな方向で現れ始めても、この香りに関することは容易に理解できるものではありませんでした。
ましてや香りをサイキック的に転送してしまうなどという能力が現れるとは思ってなく、そのような能力を開発したいなどとも思ってもいませんでした。
香りに関する出来事がチラホラと現れ始めたのはアメリカに移住してからです。
シアトルに住んでいた時に、日本人のレイキの先生と知り合い、彼女が私のアパートを尋ねてやって来た時のことです。
玄関を開けて部屋に入ってしばらくすると、彼女は爽やかな花の香りがすると言うのです。
しかし部屋の中に生け花はなく、芳香剤も何も使ってはいませんでした。
彼女は私のクラウンチャクラから香りが現れているんだと言っていましたが、個人的にはよくわかりませんでした。
私は基本的に香りにかんしては他の人よりも感度が悪いのだと知っていたからです。
後にホノルルに移り住み、ヨーロッパに住んでいる知り合いへ国際電話をかけた時にも同じようなことが起きました。
サイキック的な感覚が発達している彼女は「あら、部屋の中がハワイの香りに変わったわ」と言って楽しげに話してくれましたが、個人的には全く自覚もなにもなかったのです。
友人達が私を通じて彼らの側にはない香りを嗅ぐという不思議体験の報告が続いても、当の本人がそれを体験していないので実感が湧かなかったのです。
そのために自分が能力開発を教えるようになるまで、超臭覚に関して意識的になって観察したり、研究したりなどとは思ってもみませんでした。
突然に現れる香り
ちょうど「聖なるハワイイ ハワイアンのスピリチュアリティー」の元になった原稿を書き始めた頃に、まだ近所に住んでいた友人のリチャードと一緒に竹林が美しいコースがある渓谷の中へハイキングに出かけた時のことです。
そのコースの帰りに端で突然にマイレという植物の香りを嗅いだのです。
マイレは蔦系の植物で神々に捧げるためのレイとしても使われていたもので、今でも古典フラなどを踊る際や、聖地で奉納を行う際などにも使われています。
自然の中ですから、風に乗ってどこからか香りが運ばれてくるという状況は考えられるのですが、運ばれてきたのではなく、突然に現れたのです。
リチャードに聞いても彼は匂いを嗅いだだけではありませんでした。
私だけが数秒の間くらいマイレの香りの中に居たのです。
その周辺を探してみましたが、そこにマイレの蔦が見つかるわけもなく、その出来事は私の記憶の中に鮮明に残ることになりました。
そして原稿のために数多くの昔のハワイアンの生活様式や、考え方、特にスピリチャルな内容が多く書かれている書籍を手当り次第に読んでいた時に、ハイキングコースで体験した香りに関する記述に辿り着いたのです。
どこか自然のある場所に出かけて行って、その場所で突然にマイレの香りがする時は、昔ハワイアンが神事を行っていたヘイアウが近くにあることを知らせているという内容でした。
超臭覚的な能力が本格的に現れ始めたのは、前に書いた味覚の場合と同じく自分の波動域とオーラの新陳代謝が変化を始めた頃です。
時々のように部屋の中にいつもは臭うことがない匂いを嗅ぐことが増えてきたのですが、それでも外や隣近所の住人の部屋から窓や換気扇を通じて入り込んでいるのかも知れないと思っていました。
そしてある日の晩にベッドに横になって寝ようとしていると、突然に男性用のコロンの香りが自分の周囲に漂い始めたのです。
しかもその香りは自分が持っているコロンとは全く違う種類のもので、その香りが伝わっている時間も数分とかなり長いものでした。
それから頻繁にサイキック的に何かの香りを嗅ぐようになってゆきました。
部屋にいても、どこかに外出していても、周辺には漂っていない匂いを嗅ぐことが多くなっていったのです。
転送されて出現する香り
無料!一斉遠隔ヒーリングを行うようになって、遠隔ヒーリングを受けた方からの面白い経験の中にも香りの伝達に関するものが届き始めました。
遠隔ヒーリングを受けている間に花の香りがどこからか出現したという内容のものです。
それはローズの場合もあれば、サンダルウッド(白檀)の混じった香りだったりしたそうです。
この件で思い当たるのは、私が遠隔を送っている時に気が向いたら時々使っている数種類のオーラスプレーです。
その中にローズやサンダルウッド、セイジなどが含まれているのです。
香りが波動として転送されて出現するという体験の話しが多くなってきたので、それからは香りに対しての自意識が高くなっていきました。
そしてホノルルで二回目のスフィアのクラスを行った時にクレアアリエンスのことと波動の転送に関する説明していた時のことです。
クラスのアシスタントとして参加していたMさんが密かにある実験を行い、それに成功したのです。
話しの最中に彼女の目の前に座っていた女性の生徒さんが「えっ!?」と突然に驚いて目を丸くした顔で声をあげました。
何と、何の兆候も無く、突然に鼻腔の中に金木犀の花の香りが出現したので驚いたと言うのです。
するとMさんが意識を使って香りを転送出来るかどうか実験してみたと言うではありませんか。
彼女が脳裏で思い出した金木犀の香りを、生徒さんの鼻腔の中に送ったと言うのです。
それができてしまった本人も驚いていましたが、それを目撃してしまった私も他の生徒さんも驚いてしまいました。
香りは形として明確な物質ではありません。
風に運ばれて空気中を漂うようにして移動することもでききますが、その形は目に見えないくらいに非常に微細な分子的な構造を持った物資です。
物質の形としてはとても小さな砂などよりも密度が、比重も他のものに比べれば軽いものですが、香りも物質であることに変わりはありません。
では突然に出現する香りは、その距離間や、移動する間の時間などに関係なく、私の自宅から日本に住んでいる人のいる場所や、友人宅から私の部屋など、ある場所から別の場所へ移動できるのでしょう?
また、どうして意識の力を使って別の人の鼻腔の中に突然に出現させることが可能なのでしょう?
意識の力を使って香りを転送できるということは、その伝達方法が更に明確にわかれば、もっと質量の思い物質を伝達することができる可能性があるということにもなります。
香りの伝達
私の不思議体験が本格的に始まったのは、1990年頃からです。
「聖なる谷」にも書きましたが、原因不明の高熱に侵されて緊急入院。それ以来わたしの生活はジェットコースターです。
その頃に出逢ったのがシャーリー・マックレーンの一連の書物でした。全くの初心者だった私にとっては、とてもわかりやすい内容だったと思います。
そこから色々とスピリチュアルなことに関して勉強を始めました。
彼女の著書の中には「そんなのありなの?」という話しが続出します。
その中でけっこう強く記憶に残っていたのが、サイキック・チャンネルのケヴィン・ライアーソン氏が、彼女に遠隔で薔薇の花の香りを送る場面です。
マリブの家にいた彼女は、何処からともなく漂い始めた薔薇の花の香りに驚きました。そしてケヴィン氏から電話が入り・・・。
この「香り」の伝達も本格的に経験し始め、色々と不思議体験しました。
なにぶんにも受信能力が高いので、近しい友人達の波動を楽に感知してしまうことは日常茶判事です。
しかし・・・これにはサスガに驚きました。夜ベッドに入って眠ろうとしたら、何処かから、全く自分と関係のないコロンの香りがするんです。
しかもハッキリ・クッキリでした。それ以来、香り系は頻繁に伝達されます・・・。
これに似た話しが「スフィア」の生徒さんにも起きてしまいました。
同じように、クライアントさんに自分の使ったオーラ・クレンジング・ミストの白檀の香りが届いてしまったそうです。
生徒さんもクライアントさんも超驚きだったそうです。
不思議体験を20年以上も経験し続けてきて、ようやくシャーリーの経験したことを自分でも経験するようになってしまったわけです。